知を創造するリベラルアーツ

第1期生お申し込み受付中です! 11月17日(土)13:00-18:00開催 リベラルアーツ基礎講座 

リベラルアーツとは何か

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2003年国際基督教大学(ICU)卒。 同年株式会社小学館入社。CanCam等の編集に7年携わる。 退社後、フリーエディター&ライターに。スタイリスト菊池京子氏の「k.k.closet」(集英社)の編集・文章を手がけ、累計46万部の大ヒットに。2017年4月起業。リベラルアーツラーニングサロン「Crossing」を主催。 知識は雑食。スキルは英語、編集、文筆。特技は占い。 【実績】 ■編集・ライターとして 累計46万部超を記録したスタイリスト菊池京子氏の書籍「k.k.closet」(集英社)の編集・ライティングを手がける。 その他集英社・幻冬社発行の同氏の書籍を担当。 ■占い関係 小学館「Oggi」「CanCam」「Sakura(休刊)」、講談社「Aria」にて占い連載(現在はすべて終了)。 ■セミナー講師として 形而上学、ライティング講座、占い関連の講座やイベント、メール配信の講座を開講。累計のべ3000人超が参加。 ■その他 2017年4月合同会社マカミフル創業。DVD作品「ALIVE-Yuka Kato Performances&Messages」の企画制作販売。 アーティストとして、「儀礼芸術集団〜和羅靈(ワラヒ)〜」の一員、語り部役で2017年春分奉納祭、秋分奉納祭出演。

 

「リベラルアーツ」とは古代ギリシャに源流を持つ、大学教育の原型であり、人間を本当の意味で自由にするための基礎教養といった意味があります。

多様性の時代と呼ばれる現代。
従来の価値観や常識の物差しでは計れない新しい概念やシステムが目まぐるしく誕生する「正解」のない世界の中では、単に「ものを知っている」「経験値がある」こと以上に、柔軟に思考し、自ら価値を創出する「創造知」の重要性はますます高まっています。

今回は、私、岡崎直子の視点で「リベラルアーツ」を解説していきます。

 

古代ギリシャのリベラルアーツ

元々のリベラルアーツは形而上学を筆頭の第一哲学とし、言語学(修辞学・論理学・文法)、数論・幾何学・天文・音楽の7科目を「自由7科」と呼び、豊かな人間性を育て、固定概念から解放し、森羅万象と調和した人生と世界を創造するための最も根源的な学びとされていました。

筆頭の第一哲学

形而上学(けいじじょうがく/メタフィジックス metaphysics)

 

自由七科(リベラルアーツ Liberal Arts)

三科(トリヴィアム Trivium)

文法

論理

修辞

 

四科(クワドリヴィアム quadrivium)

数論

幾何学

天文学

音楽

 

物理宇宙以前に「形而上学」というイデア的・観念的世界を想定しているところが注目すべきポイントです。

形而上学という言葉を著作のタイトルに用いて、最初に広く定着させた人物と言われている哲学者アリストテレスは、師匠プラトンの「イデア論」を継承しつつも批判的に発展させ、森羅万象の原因に「形相(エイドス)」と「質料(ヒュレー)」があると提唱しました。

プラトンの「イデア」が物質から遊離した概念であるのに対し、アリストテレスの「形相(エイドス)」と「質料(ヒュレー)」は概念と物質がどのように結ばれているかという道筋を考察したものだと言えます。

 

意図を問い、意図からはじめる

アリストテレスが学問のうちで最も大切なものと呼び、プラトンがイデア論として論じた「形而上学」とは、物理現象・自然科学の世界はそこだけで完結しているわけではないと考える、リベラルアーツにおける第一哲学。森羅万象を一種の影として生じさせている「真の世界」の原理を探求する学問です。現代では哲学や物理の最先端である量子力学が担当する分野に近いものです。

「どうして地球は回るのか?」「どうして光速度は超えられないのか?」といった問いに、「宇宙のちりが回転して集まって地球ができたから、その回転が宇宙では摩擦がないため続いている」「光速に達すると時間軸成分が0になるため」といった答えを返すのは、すでに完成された物理宇宙の中でのHow(仕組み)を考える思考法です。

それに対してWhyの思考は、その問いの前提を本質に向かって掘り下げていきます。
どのような仕組みで地球が回転しているのか、ではなく、どんな理由で地球は回転しているのか。「回転」の本質とは何か。「光」の本質とは何か。

リベラルアーツ的な思考や学びは「形而上学」を基盤に想定しているゆえに、まず現象の本質「Why」を掘り下げてから(第一哲学:形而上学)、「How」を考えます(第二哲学:自然科学)。

「Why」の答えや仮定が定められないときには、一旦エポケー(判断を留保)して、「How」を掘り下げる場合もありますが、本質的な問いとしての「Why」がそこにあることを忘れないし、無視しません。

ゆえに、リベラルアーツは問題を深掘りし、物事の背景にある意図を明らかにする知性を育てるための、必須の教養教育とされたのです。

 

 

HOWの思考とWHYの思考は両方とも大切ですが、HOWを考えるときにはWHYをエポケーしているという意識を持っていることが大切です。

 

 

宇宙創生の順序をひっくり返す

現代の科学的世界観では、時空(宇宙)は太古の昔、インフレーション(ビッグバン直前の出来事)から始まったとされています。

しかし説明した通り、リベラルアーツ的世界観では、物質宇宙の真の原因はイデア的世界にあると考えられています。(大変大雑把にまとめると、イデアとは、最高度に純化された「概念」のようなもの)

これは言い換えると、「時間」や「三次元空間」や「物質」が生まれる以前に「イデア」があるという考え方です。

時間が生まれる前の話なのですから、イデア的世界にとっては「今の私が生まれるよりずっとずっと過去、太古の昔にビッグバンが起きて宇宙が始まった」というセンテンス自体、意味を成さないということになります。

普通人間は、過去には戻ることはできないし、未来へジャンプすることもできない、一直線上の時間を一方向に進んでいる、と考えていますが、イデア的世界にはそういった時間の制約はありません。

DVDを再生すると、時間は一方向に整然と流れ出しますが、ディスクを取り出すと、一枚のディスクの中に全時間が収まっていますよね?

あるいはネット上のデータでも、時間と映像・音声情報を圧縮してメールで送ったり、ウェブにアップしたりできるわけです。再生ボタンが押されるまでは、過去も未来も全情報は圧縮され、一つのZipファイルにまとまっています。

私たちが絶対的なものだと感じている「時空」とは、「再生ボタンが押された状態」の世界です。

その内部では物語はきちんと時間に沿って整理整頓されて流れていきます。再生され続けている時空物語の中で、私たちは各々のパーソナリティを演じている役者です。

しかしその上位には、時空全てを圧縮してやりとりできる世界があり、それがプラトンやアリストテレスの言う「イデア的世界」ということになります。

 

「時空の俳優」として生きる以外の意識を見つける

リベラルアーツ的な物の見方に立つと、人間の真の進化とは「時空の俳優」としての自我を脱ぎ捨てて、イデアの世界に生きることだと感じられてきます。

こうした世界観において人間は、「創造された後の自然世界に住んでいる」のではなく、「これからこの宇宙を創造する」のかもしれません。イデアは時空の外なのですから。

そのとき「太古」はどこにあるのでしょう? 「太古」とは「大昔」という意味ではなく、森羅万象を生じさせる莫大なデータを凝縮した最最最高度のイデアそのもののことかも知れません。

 

膨大な過去の蓄積の果て、物質的進化の到達点に自分がいると考えるのか、それとも私たちは宇宙創生以前にいて新しい概念からすべてを創造しようとしているのか。

前者はすでに出来上がった時空の物語の中に途中参加して、80年ほど劇を演じてまた退場する「時空の俳優」としての「受動的な自我」の認識です。再生ボタンが押されている間しか存在することができない意識です。

一方後者は、圧縮データとしてのイデアをやりとりしながら宇宙の創造に参画する「能動的な精神」としての認識です。

 

現代はテクノロジーの革命によってDNAや量子、拡張現実など、人間存在の根幹に関わる変化が訪れている時代だと言われています。

しかし私にとって最もラディカルで根幹的な革命とは、認識の革命、つまり「自我からの脱出」です。

 

 

「自由」とは「知性」の別名である

自由と聞くと、選択肢が豊富にあることや、状況や他人に煩わされずに好き勝手にできる、というニュアンスを強く感じると思います。

しかしリベラルアーツにおいての自由とは、「これからイデア足りうる新しい概念を創造する」ために、受動的な意識状態から人を解放するということ。

時間や自然や物質、社会的状況や、他者、それどころか自分自身の感情や小さな思考に対してさえ受動的に振り回され、自動反応で生きてしまう「精神的奴隷状態」を超越するためには、時空の外・自我の外を見い出すための確かな知性が必要です。

リベラルアーツの文脈で語る「知性」とは、意識を奴隷状態から解放する「強度を持った知性」のことなのです。

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2003年国際基督教大学(ICU)卒。 同年株式会社小学館入社。CanCam等の編集に7年携わる。 退社後、フリーエディター&ライターに。スタイリスト菊池京子氏の「k.k.closet」(集英社)の編集・文章を手がけ、累計46万部の大ヒットに。2017年4月起業。リベラルアーツラーニングサロン「Crossing」を主催。 知識は雑食。スキルは英語、編集、文筆。特技は占い。 【実績】 ■編集・ライターとして 累計46万部超を記録したスタイリスト菊池京子氏の書籍「k.k.closet」(集英社)の編集・ライティングを手がける。 その他集英社・幻冬社発行の同氏の書籍を担当。 ■占い関係 小学館「Oggi」「CanCam」「Sakura(休刊)」、講談社「Aria」にて占い連載(現在はすべて終了)。 ■セミナー講師として 形而上学、ライティング講座、占い関連の講座やイベント、メール配信の講座を開講。累計のべ3000人超が参加。 ■その他 2017年4月合同会社マカミフル創業。DVD作品「ALIVE-Yuka Kato Performances&Messages」の企画制作販売。 アーティストとして、「儀礼芸術集団〜和羅靈(ワラヒ)〜」の一員、語り部役で2017年春分奉納祭、秋分奉納祭出演。

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